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2023.06.30 【大島】瀬戸内国際芸術祭作品 2023年11月まで毎月第2土日に一般公開します。

 瀬戸内国際芸術祭の会場の大島(香川県高松市)で、7月から11月までの毎月第2土日に、芸術祭作品(11作品)を一般公開いたします。
 大島は、ハンセン病回復者の方が暮らす国立療養所大島青松園があり、ハンセン病の歴史を後世に語り継ぐ、芸術祭にとって欠かせない場所として、第1回から会場となっています。
 社会交流会館にある「カフェ・シヨル」では、大島産の新鮮な梅やかんきつ類を使った菓子類やドリンクを提供しています。


【大島 作品一般公開(概要)】
日 時|2023年7月 8日(土)、9日(日)
        8月12日(土)、13日(日)
        9月 9日(土)、10日(日)
        10月14日(土)、15日(日)
        11月11日(土)、12日(日)
場 所|大島青松園内
参加費|一部有料(全作品を鑑賞する場合は、900円が必要)
公開作品|「青空水族館」、「森の小径」、「Nさんの人生・大島七十年」-木製便器の部屋- 田島征三
「稀有の触手」、{つながりの家}GALLERY15「海のこだま」やさしい美術プロジェクト
「リングワンデルング」 鴻池朋子    他、全11作品。
飲食情報|社会交流館にある「カフェ・シヨル」では、大島産の新鮮な梅やかんきつ類を使った菓子類やドリンクを提供しています。
カフェ・シヨル  ●場所:大島青松園社会交流会館内●営業時間:開館日の10:45~15:00
注意事項|「リングワンデルング」の一部は、ツアー形式でご案内します。
●当日、雨天の場合や現場状況によっては、ツアーを中止し、作品説明のみになる場合があります。
●険しい崖に設置された階段を下りるため、小学生以下の方はご参加いただけません。
●詳細はこちらをご覧ください。

写真1枚目:{つながりの家}「カフェ・シヨル」やさしい美術プロジェクト Photo by Keizo Kioku
写真2枚目:カフェ・シヨルのドリンク
写真3枚目:「青空水族館」田島征三
写真4枚目:「リングワンデルング」鴻池朋子 Photo by Keizo KIoku







2023.05.18 瀬戸内国際芸術祭実行委員会第31回総会について

瀬戸内国際芸術祭実行委員会(会長:池田豊人香川県知事)は本日、第31回総会をかがわ国際会議場で開催しました。次回の瀬戸内国際芸術祭を2025年に開催することなど、以下の議題について承認されましたので、お知らせします。

○ 議 題
【報告事項】  令和4年度事業報告及び補正予算について
【第1号議案】 専決処分事項の承認について
【第2号議案】 令和4年度収支決算の認定に関する権限の委任について
【第3号議案】 次回瀬戸内国際芸術祭の開催について
【第4号議案】 令和5年度事業計画(案)及び収支予算(案)について

瀬戸内国際芸術祭実行委員会第31回総会_議案書

2023.03.24 TARA JAMBIO ART PROJECT 展示会を開催します!

 タラ オセアン ジャパンは、3月25日(土)~4月30日(日)までTARA JAMBIO ART PROJECT 展を粟島(香川県三豊市)にて開催します。
 本展は、全国各地でTara JAMBIOマイクロプラスチック共同調査に参加したアーティストによる作品展示となります。
 世界の海を航海する科学探査船タラ号にアーティストが乗船して調査に行くように、Tara JAMBIOマイクロプラスチック共同調査でも、サンプリング調査の際、アーティストが同行しました。科学者は科学研究の結果を共有し、アーティストは、アーテイストならではの視点と手段を使って、海の状態を表現します。
 会場の粟島は、タラ オセアン ジャパンが、2019年に海洋環境教育で連携協定を結んだ香川県三豊市に位置する自然豊かな美しい島です。タラ オセアン ジャパンが「粟島海洋環境クラブ」等の活動を行い、こども達への海洋環境教育を行う拠点でもあります。


【三豊市ホームページ】
 https://www.city.mitoyo.lg.jp/kakuka/seisaku/sangyo/1/11219.html


【オープニングイベント】 TANeFUNe オープンラボ 参加自由・無料
 3月25日(土)、26日(日)の2日間、TANeFUNeが粟島近海で海洋環境調査を行います。
 粟島の海にいた小さな小さな微生物や、粟島の海にあるかもしれないマイクロプラスチックの観察体験ができます。


【開催時間】
 3月25日(土)、26日(日)
 11:00~12:00、13:00~14:00、14:30~15:30


【開催場所】
 ル・ポール粟島前桟橋

TARA JAMBIO ART PROJECT展チラシ

2023.02.06 三豊市×Tara Océan 財団「海と地球の未来を考えるシンポジウム」を開催します!

2023年2月11日(土・祝)、「海と地球の未来を考えるシンポジウム」~世界の海の現状と自分たちにできること~が開催されます。(三豊市×Tara Océan 財団)


シンポジウムは二部構成。
Tara Océan財団エグゼクティブディレクター、ロマン・トゥルブレ氏による講演「21世紀の海と、タラ号の冒険と未来」と、パネルディスカッションが行われます。
パネルディスカッションは、ファシリテーターに東京藝術大学学長で、タラオセアンジャパンの理事を務める日比野克彦氏を迎え、トゥルブレ氏、山下昭史三豊市長、せとうち観光専門短期大学の青木義英学長が登壇されます。


世界の海を見てきたロマン・トゥルブレさんの貴重なお話が聞ける機会。ぜひ一緒に、海と地球の未来について考えてみませんか?


日  時:令和5年2月11日(土・祝) 13時30分~15時20分(13時00分開場)
開催場所:三豊市文化会館マリンウェーブ マーガレットホール
参  加:無料
申込方法:事前申込は、こちら(https://logoform.jp/form/iDPS/209251)
講演内容
 1.基調講演「21世紀の海と、タラ号の冒険と未来」
  《講演者》ロマン・トゥルブレ(Tara Océan財団のエグゼクティブディレクター)
   タラ号の活動紹介や現在行っている調査、世界の海の現状、マイクロプラスチックについて講演します。

 2.パネルディスカッション
  《ファシリテーター》
   ・日比野克彦(アーティスト・東京藝術大学学長・タラオセアンジャパン理事)   
  《パネリスト》
   ・ロマン・トゥルブレ(TaraOcéan財団エグゼクティブディレクター)
   ・青木義英(せとうち観光専門職短期大学学長)
   ・三豊市長 山下昭史

「海と地球の未来を考えるシンポジウム」(チラシ)

2022.11.04 【瀬戸内ふれあい紀行】来島者の声をお届けします [伊吹島編]

瀬戸内海、ど真ん中。良質なカタクチイワシの煮干し「伊吹いりこ」の生産が盛んで、全国的にも有名な観音寺市の伊吹島は、観音寺港から旅客船で25分の場所に位置します。島の玄関口、真浦港には多くのいりこ漁船が浮かび、海岸沿いには加工場が立ち並びます。獲れたイワシが高速の運搬船で加工場へ送られ、すぐに加工されることから鮮度が高く、「日本一の最高級いりこ」と言われています。

こうしたいりこ漁を基盤とする島独特の暮らしや風俗から着想を得た海外アーティストが作品を展開しています。また島ならではの手作り料理も味わうことができます。

真浦港から急な坂道を上り、島の集落を歩くと、細い道がくねくねと曲がっています。まるで迷路のような路地を通り抜けると、アート作品に出会います。


ib08《ものがみる夢》 KASA アレクサンドラ・コヴァレヴァ&佐藤敬(ロシア、日本)

真浦港から徒歩10分。島の高台に建つのは旧伊吹小学校。校舎の2階の教室では、伊吹島の暮らしを支えてきた道具を用いたアート作品から、残存する島の漁労文化を体感できます。

[海の庭]
この教室では、いりこと鰆(さわら)の漁網が張り巡らされています。

網をじっくり見つめ、「作品が本物の海のように思えました。」と表現するのは、栃木から4泊でお越しの50代女性。「海なし県から来たので、瀬戸内海に感動しました。実に明るく綺麗で穏やかです。そんな海の景色と一体となった作品に感動しました。奥行きがあり、日本庭園の借景みたいですね。」と喜んでいました。

東京から訪れた50代男性は「波のような網が何層もあって、床がすぐ見えず、深く感じました。作品の奥で船霊(ふなだま)が見守っている感じもいいですね。曇でも、海のかすんだ雰囲気がこの作品に合います。」と満足そう。「伊吹島はいりこだけでなく、鰆もすごいんだなと実感しました。」と話していました。

[島の庭]
赤、黄、緑、青、紫などで彩られたのは園芸用の網。網の上には、食器や柄杓(ひしゃく)、釜などが置かれています。

部屋を何度も往復するのは、高松から来た小学3年生の男の子。「カラフルでお花畑みたい。迷路のようでとても楽しかった~。」と嬉しそう。男の子の母親は「さまざまな色は島の四季を表現しているかのようですね。グラデーションのようでとても素敵な空間です。まさにインスタ映えして、万人受けすると思います。」とにこやかでした。

じっくりと隅々まで鑑賞し、水が溜まった器を見つめながら「水不足に悩まされ、水をとても大切にしてきた島の生活が伝わります。」と話すのは横浜から訪れた50代女性。「ふんわりしていそうな網の上に丁寧に道具を載せる技術や発想もすごいですね。島の文化に触れる作品が好きです。」と笑顔を見せていました。

岡山から来た40代男性は「幻想的な雰囲気ですが、校舎から子供の声が聞こえてきそうなぬくもりも感じます。とても楽しめました。」と語っていました。


「うららの伊吹島弁当」

旧伊吹小学校の校舎への入り口付近では、島のお母さんたち手作りのお弁当を販売しています。「うらら」とは、「私たち」という島の方言。飲食できるスペースも用意されています。

島の自治会長さんは「島のみんなが心を込めて手作りした郷土料理です。おもてなしを感じてもらえたらうれしいなぁ~!」と強調します。

おいしそうに頬張っていた東京から来た50代女性は「やさしくて素朴な味。島の方の愛情を感じます。島の食材を生かした、ここでしか食べられない味ですね。足を運んでよかったと非常に満足できました。」と絶賛していました。


ib09《つながる海》 ゲゲルボヨ(インドネシア)

旧伊吹小学校から迷路のような坂を上って徒歩5分。約100年前に設置された旧郵便局の建物の空間に、インスタレーションを展開、インドネシアの6人のアーティストが手掛けました。壁にはインドネシアに伝わる神様のキャラクターなどが描かれ、牛の皮を染色した影絵も堪能できます。

影絵を熱心に眺めるのは大阪から訪れた30代男性。「牛の皮を染めるという発想は日本にないと思うので、斬新でした。照明の光を通し、素敵な雰囲気です。裏側までいろんな暖色が楽しめますね。」と和紙に描かれるものとは違った面白さを話していました。

東京からお越しの30代女性は「髪の毛が生えた魚をはじめ、描かれたものには意外性があり、シュールな印象を抱きますが、じわじわと面白さや優しさも伝わってきます。異質な組み合わせにも違和感がありませんね。仏教的な要素を感じるアジアの素晴らしい空間です。」とじっくりと鑑賞していました。

「6人それぞれの個性がうまくまとまっていて、不思議なくらい統一感がありました。」と語るのは京都から来た50代男性。旧郵便局の装飾にも着目し、「昔ながらのガラスや欄間(らんま)、照明のデザインなども作品とうまく調和していて、素敵ですね。」と感想を述べていました。


ib05《伊吹の樹》 栗林隆

伊吹島ではかつて出産前後を女性だけで集団生活し、家事から解放されて養生する風習がありました。この命の誕生の場である出部屋(でべや)の跡地に、母胎を表現する大きな「生命の樹」があります。

《つながる海》から歩いて10分。狭い路地を通り抜け、やっと辿り着きます。

天井の空を見上げ、万歳のポーズをとるのは丸亀から来た30代男性。「インスタグラムで見て訪れてみましたが、この迫力は実際に来てみないと分かりませんね。光が差し込み、ミラーの輝きも体感できます。ここまで汗をかいて到着した甲斐がありました!」と感動を語っていました。

愛媛からお越しの40代女性は「自分が今にも空へ飛び出していきそうな不思議な感覚がしました。産道は未知の世界ですが、自分も生まれた時はこんな光景だったのかな。子どもにとって自分の産道もこんな感じだったのか、想像するとワクワクします。」と笑顔を見せていました。


ib10《浜辺の歌》 マナル・アルドワイヤン(サウジアラビア)

真浦港から海岸線を10分ほど歩くと、古い旧造船所に辿り着きます。この場所で、サウジアラビアの作家は、母国で船乗りの安全を祈願する儀式を伊吹島の人と一緒に行いました。ナツメヤシの葉で編んだ籠を松明(たいまつ)のように燃やし、海で炎を鎮めます。

展示空間では、儀式で使われたナツメヤシが展示され、スクリーンに儀式の様子が映し出されています。
「ここには海から戻ってくる方を歓迎する雰囲気があります。海の存在によって、男女の結びつきが緊密になったと感じました。」と話すのは、大阪に住む20代の中国人留学生2人組。

ナツメヤシをじっくりと見つめ、「焦げ跡がはっきりしたものや薄いものもあります。祈りもそれぞれ個性があるんですね。」としみじみと語っていました。

スクリーンの映像に夢中になっていたのは、横浜からお越しの50代女性。「祈りは万国共通だと実感しました。聴こえてくるアラビア語の歌に初めはなじみがありませんでしたが、映像を見ていくうちに、親近感を抱きました。」とほほ笑んでいました。


儀式が行われた海辺で写真撮影に夢中になり、「まるで自分がサウジアラビアの海にいるかのように感じてワクワクしました。」とすがすがしい表情を見せるのは、広島からの30代男性。芸術祭初開催の2010年から毎回、全ての島を巡ったそうです。「瀬戸芸は生きる糧で、毎回楽しみにしています。この美しい海の景色や充実した作品を見て、あと3年、また頑張ろうという気分になりました。」と嬉しそうに語っていました。

島ならではの産業や生活を体感でき、異国情緒漂うアート作品も楽しめる伊吹島。行けば必ず元気をもらえます。

(続く)

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